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No.248 2013年4月1日

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全産連・医療廃棄物部会


医療廃棄物の低価格化について
―今後の経営課題として取り上げる―


 既報の通り、全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会では、医療廃棄物の低価格化について、論議を重ねていたが、先般正式に取り上げることを決め、今後の経営課題として検討することになった。そこでこの問題についての取り組みについて、次のように決めた。

1 医療機能評価
・審査機関との連携により、審査員に「医療廃棄物処理」を重点項目としてチェックしてもらうように働きかける。

2 処理料金調査の実施
・処理業者対象に実勢価格を把握する。原価の要素をわかりやすく解説したものを合わせて掲載。
・医療機関を対象に処理費の調査を実施。

3 行政の取り組み
・地方行政が独自に現場密着型の評価制度を作成する。行政と産廃協会などの業界団体が共同で処分場に立ち入り、法令基準項目をチェックし、結果をネット公開する(方法により実行性が見込まれる)。

4 排出業者(医療機関等)と処理業界の取り組み
・意見交換の実施(医療機関側との意見交換等を実施し、適正処理の意識を高めてもらう)。

5 他の廃棄物との差別化
・感染性廃棄物の危険性をもっと浸透させる(どのように危険なのか周知の必要性がある)。


6 その他
・新規参入業者の安値受注は医療廃棄物部会に加入させて強調姿勢を取るように促す。
・マーケットを拡大するために、紙おむつなどを感染性扱いにするように働きかける。(他にも感染性廃棄物扱いとなりうる廃棄物はあるか?)

これらから、優先性・実行性を考慮してさらに絞込み。具体化に向けて検討を実施!

◆うわさばなし◆


ある病院で滅菌器械を設置しました。この器械はおむつを滅菌処理し、事業系一般廃棄物として排出することでコスト削減になると販売されました。設置後すぐに処理時の悪臭が酷く、患者からクレームが出ました。また浄化槽を通して排水していましたが、浄化槽内の塩化カリウムの値が基準値を大幅に超えたため、直ちに運転を停止しました。その後改善の見込みが立たず、下水道法に抵触する恐れがあるため撤去したそうです。病院側は業者に対し法的処置を考えているとのことです。
  

環境問題の帰結


 
環境・環境と世の中騒がしい。騒ぎが大きくなったのはいつごろからか。たどっていけば相当昔になる。最近はマスクをした人が多く見られるので、何となく環境問題も身近に感じるような気がする。そうかと言って冷静な議論がなされているわけでもなく、単に花粉症であったり、風邪だったりして、そんなに大げさに言わなくても済みそうである。
 一方この問題は一部が騒いでいるだけだと、見ているととんでもない結果が待っているかもしれない。現に国内では原発事故による環境汚染があり、今回は外国よりの大気汚染への心配があり、飛躍した議論が横行する恐れがある状況を醸し出している。国内外より問題があることは、否応でも対策を立てなくてはならないので、最急に取り掛かる必要がある。我が国はかつて公害対策として、法律を整備して環境基準を強化し、公害物質を減らしてきた実績がある。この実績を参考に新たな対策を立てれば良いことで、そう難しいことではないはずである。
 とりあえず汚染物質の有無を判断できる体制を整備し、その予防対策を練ることで大方は防げると思う。医療廃棄物の処理問題も、これに似たようなもので、従来からの技術と制度を組み合わせ、じっくりと取り組んでいけば、解決の道はあるはずで、あと一歩のところに来ていると思っている。
 環境問題が突然医療廃棄物の処理問題になったが、そもそも医療廃棄物問題も、元を正せば環境問題で、大きく見て環境問題の解決とつながっているのである。あらゆる機会をとらえ、医療廃棄物問題の解決を図ると言った手前、今般の大気汚染問題も恰好な材料として取り上げた次第である。                          

医療廃棄物研究所 所長 渡辺 昇