No.210 2010年3月1日
東京都の優良業者認定制度
専門性を別に取り上げ審査
感染性廃棄物取り扱い業者19社を認定
既報の通り、東京都は第三者機関が評価を行う優良業者認定制度を開始したが、感染性廃棄物取り扱い業者は専門性が重視されるため、別枠を設けての審査が行われ、このたび認定業者が発表された。
医療廃棄物処理業者に絞ると、今回認定を受けたのは「産廃エキスパート(金印)」13社、「産廃プロフェッショナル(銀印)」6社の合計19社。
ただし、都内に100社以上ある許可業者のうち、認定を受けたのが19社という結果を見て、認定件数の多い・少ないについて議論が起こっている。
評価基準・評価項目
評価事項は業の区分や認定の区分により異なる。産廃プロフェッショナルの場合、収集運搬業(積保なし)で全40項目、中間処理業で全68項目を点数化し、得点が下記を満たす者を認定する。
評価基準 | 適法性 | 安全性 | 先進的な取組 | 専門性 |
---|---|---|---|---|
産廃エキスパート | 全事項必須 | 75%以上 | 50%以上 | 全事項必須 |
産廃プロフェッショナル | 70%以上 | ― |
専門性の主な評価項目
取り扱い管理規程、取り扱い手順書/教育、訓練/従業員の定期健診/
ICタグ/危機管理(消毒剤、消化器等)/混合防止、容器の適正利用 など
◎東京都・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会◎
恒例の医療廃棄物適正処理研修会
医療機関従業者を対象に
東京都環境局・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会は、先月の処理業者対象研修会に引き続き、下記の通り医療機関の従事者を対象とした医療廃棄物適正処理研修会を開催する。
―記―
日時 | : 平成22年3月27日(土)14:00〜17:00(予定) | |
場所 | : 東京都庁・都民ホール(都議会棟1階)(新宿区西新宿2-8-1) | |
対象者 | : 医師、歯科医師、獣医師および医療機関に従事する関係者 | |
受講料 | : 1,000円(資料代含む、当日会場で徴収) | |
問い合わせ先 | : (社)東京都医師会 保健医療課 TEL:03-3294-8821(代) |
期待と不安の新制度
東京都の優良業者認定制度がようやく実施されることになった。
以前、この欄で同制度の謳う「公平・公正」について触れ、正直なところ期待と不安を持って推移を見守ってきたが、一応の成果は上がったのではないだろうか。
審査の主体を第三者機関とし、きめ細かい審査項目を設け、かつ「産廃エキスパート」と「産廃プロフェッショナル」の2つに分類して業者を認定するなど、これまでの制度の欠陥を補うことに務めている点や、別項目として特に「専門性」を設けて、医療廃棄物取り扱い業者への配慮を示した点は評価したい。
今さら言うのも何だが、医療廃棄物は単なる産業廃棄物ではない。今回の制度で「専門性」が別枠で審査されたことは、我々の要望が一部かなったということでもあり、今後の医療廃棄物処理業界に良い影響があることを期待している(期待しすぎだろうか)。
一方、手取り足取りというか、手を変え品を変え制度をつくらなければ廃棄物は適正処理できないのかという意見があるのも確かで、「新制度はいらない」と言う人と、「今回は結果を見守り、次の機会に考えよう」と言う人に大別されているように見える。
いずれにせよ、優良業者を認定するのだから、何らかの成果を上げなければ「結局、何をやっても同じじゃないか」と、処理業者に対する不信感を募らせる結果になってしまうことを忘れてはならないだろう。