No.198 2009年3月1日
東京都の優良業者認定制度
第三者機関による審査が特徴
医療廃棄物取り扱い業者は別枠基準で
以前より東京都では、環境省が推進し各都道府県で実施中の「優良処理業者認定制度」とは別に、第三者機関の審査を前提とした処理業者認定制度の構築を図ってきた。
これに関して、去る2月19日に開催された東京都・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会三者共催の「医療廃棄物適正処理研修会」で、東京都は優良業者認定制度の実施を明らかにするとともに、第三者機関による審査の概要を説明した。
なお、同制度では全般的な審査項目とは別に、医療廃棄物取り扱い業者に特化した審査基準を設ける。(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会が実施する「感染性廃棄物処理自主基準」や「ADPP審査基準」、東京都医師会が作成した「優良業者選定基準チェックリスト」等を参考に作成するという。
◆新型インフルエンザ対策◆
廃棄物処理業者の対策を検討開始
危機管理体制の確立に向けて
環境省は、医療従事者への取り組みと比べて遅れていた、新型インフルエンザ発生時の廃棄物処理業者への対策について、検討を始めることになった。
まず、基礎調査や情報収集を行い、その上で「ガイドライン作成に係る検討会」を設置する。検討会では、新型インフルエンザ発生時に安定的かつ適正な廃棄物処理が確保できるよう、廃棄物処理業者が取るべき措置等をガイドラインとして取りまとめるべく、議論を行うとしている。
処理業界側からも、早期のガイドライン発表を期待する声が聞かれている。
東京都・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会
医療機関従事者対象の研修会を開催
3月28日(土)都庁・都民ホールで
2月19日に行われた処理業者対象の研修会に引き続き、3月28日に東京都・東京都医師会・東京産業廃棄物協会の三者共催による、医療機関従事者を対象とした「医療廃棄物適正処理研修会」が下記の通り開催される。
―記―
日 時 | : 平成21年3月28日(土) 14時より |
会 場 | : 都民ホール(東京都庁・都議会棟1F) |
対 象 者 | : 医師、歯科医師、獣医師および医療機関に従事する関係者 |
受 講 料 | : 1,000円(資料代として当日徴収) |
問い合わせ先 | : (社)東京都医師会 保健医療課 TEL:03-3294-8821(代) |
未必の故意にならないよう
「排出者責任」が厳しく問われるようになった裏返しとして、処理業者を見る目も非常に厳しくなったことは、医療廃棄物処理の分野でも御多分に漏れず同様で、優良業者認定制度もその一環だろう。
当然といえば当然のことで、今さら騒ぐことでもないが、最近ちょっと気になる意見が医療関係者から寄せられたので、あらましを紹介する。
「処理業者を選択する際のモノサシとして、優良業者認定制度やADPPの資格審査等があるが、それを拠りどころに業者を選定しても、過去の不正行為や悪質なダンピング行為が暴かれた場合どうするのか。現在の状況ではその可能性が十分にあり、今から危惧している」
このほかにも、「いろいろな場所で医療廃棄物問題が議論され、それなりに成果を上げていると言うが、所詮“ぼやき”ではないか」など、辛辣な意見も寄せられている。
現在、医療廃棄物問題が置かれている立場からして、さもありなんと思うところだが、彼らの懸念が「未必の故意」にならないよう、より透明性の高い制度構築が必要だと考えている。
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