No.197 2009年2月1日
使用済み注射針等の回収事業
条件付きながら“下取り行為”として認める
都道府県・政令都市等環境担当部局長会議で説明
既報の通り、各地の薬剤師会を中心に、在宅医療廃棄物としての使用済み注射針等の回収事業が行われているが、従来から法律上の位置付けが曖昧との指摘があり、処理業者(特に産廃業者)の間には不安の声も聞かれていた。
こうした現状を踏まえ、環境省は1月19日に開催された「全国都道府県及び政令指定都市等環境担当部局長会議」において、「このような回収行為については、薬局が医薬品を販売する行為の一環であると認められれば下取り行為と解釈され、薬局が排出する廃棄物となる」と説明。法制上の整理を明確にした上で適宜指導することとし、条件付きながら現行の回収事業を事実上認めることになった。
東京都・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会
医療廃棄物処理従事者対象に
2月19日(木)都民ホールにて開催
恒例の東京都・(社)東京都医師会・(社)東京産業廃棄物協会の三者共催による「医療廃棄物適正処理研修会」の概要が下記の通り決定した。2月19日(木)都民ホールにて、まずは処理業者を対象に開催する。
―記―
日 時 | : 平成21年2月19日(木) 13時より |
会 場 | : 都民ホール |
対 象 者 | : 医療廃棄物処理業者 |
会 費 | : 東京産業廃棄物協会員1,000円/協会員以外2,000円 |
問い合わせ先 | : (社)東京産業廃棄物協会 TEL:03-5283-5455(代) |
有害・医療廃棄物研究会
各分野での取り組みを中心に
2月20日(金)東京慈恵会医科大学西講堂で
有害・医療廃棄物研究会では、今年も恒例の研修会を下記の日程で開催する。今回はアスベスト、DNA廃棄物、抗がん剤等、医療廃棄物も含めた各種有害廃棄物についてのプログラムが予定されている。
―記―
日 時 | : 平成21年2月20日(金) 10時〜16時30分 |
会 場 | : 東京慈恵会医科大学 西講堂 |
会 費 | : 会員 10,000円、非会員 20,000円、学生 4,000円 |
問い合わせ先 | : 有害・医療廃棄物研究会事務局(担当:仁田) TEL:03-5714-0360 FAX:03-5714-0361 |
基本はモラリスティックで
世の中、一見すれば常識や世俗に対する反抗が横行しているようで、19世紀末のデカダンスを思い起こさせる。
ただし、形態は似ていても、安易な気持ちに感染した人々が危機感や厳しさを声高に叫んでいる様は、モラリスティックのひとかけらも感じられず、いっそう悪いように思えてならない。
それはなぜなのか、以前から言っているように、規制緩和やグローバル化等がもたらした悪しき結果が、従来から強さを増していた拝金主義をのさばらせ、醜い競争社会の中に多くの人々を突き落としてしまったからではないだろうか。
ちょっと固い議論になってしまったが、ここで医療廃棄物処理業界に目を転じると、依然として“不適正処理”(法の不備により“不法処理”にはならないのだが)は後を絶たず、ダンピング競争は激しさを増すばかりである。
しかし、こうした時期にようやく「排出者責任の強化」や「処理業者の優良化事業」が本格的に取り上げられるようになってきたので、この際、関係者には今後どう対応すべきか、モラリスティックを基本に置いて、真剣に話し合ってもらいたいところである。