No.191 2008年8月1日
暑中御見舞い申し上げます。
平成二〇年 盛 夏
医療廃棄物研究所 所 長 渡辺 昇
(社)全産廃連・医療廃棄物部会
本年度ADPP参加業者決まる
第一次審査終了、引き続き第二次審査へ
(社)全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会では、例年どおりADPP参加業者を決めるための審査を行っている。
先ごろ、第一次審査に申請した業者について、41社中39社の参加を承認し、各地区協会および申請業者に通知した。
なお、ADPPは4月より申請を受け付けており、3回(4月、7月、9月)に分けて参加資格審査を行うことになっている。そのため、8月中には7月に締め切った第二次審査分についての審査が行われる予定である。
有害・医療廃棄物研究会
名称を一部変更して再出発
研究会創立20周年を期に拡大を図る
医療廃棄物研究会は、1988年に医療廃棄物問題に関心を持つ関係者らによって設立され、今年で20周年を迎えた。
この間、研究講演会、各種技術セミナーや講習会等を開催するとともに、会誌「医療廃棄物研究」を発行し、医療廃棄物問題を解決するための研究活動を一貫して続けてきたが、近年の動向として有害廃棄物問題が浮上してきたため、これを踏まえ研究会の名称を「有害・医療廃棄物研究会」と一部変更することが提起され、先ごろ行われた研究会の定期総会で了承された。
今後は、研究対象を有害廃棄物に拡大した上で、引き続き医療廃棄物問題の解決に取り組んでいくという。
ものの見方を考える
最近、盛んに報道された「微量採血用穿刺器具」の再使用問題は、名前からして難しく一般にはわかりにくいが、つまり複数人に使用してはいけないという通達が出ている採血器具について、多数の医療機関や福祉施設で「使いまわし」されていることが明らかになったものだ。
多くのケースでは、針は交換した上で採血器具のキャップ部分を再使用していたようだが、最初に報道されたケースでは採血用の針自体が使い回しされていた。普通、採血針を交換していれば器具を共用していても感染の可能性は低いため、感染管理を軽く考えていた向きがあり、その延長で使い回しが起きたのだろう。
通常の予防注射でさえ、少し前までは注射針の使い回しが普通に行われており、肝炎の集団感染の原因になったとされる。注射針とは違う今回の場合は、ものの見方を考える上で多少参考になったと思う。
医療廃棄物を処理する立場からしてみると、排出先が複数人への使用禁止というルールを守っていない現実を知れば、「これはおかしい」と複雑な気持ちになる。
医療廃棄物研究所の夏期休暇は
8月12日(火)より17日(日)までと致します。