No.179 2007年8月1日
暑中御見舞い申し上げます。
平成一九年 盛 夏
医療廃棄物研究所 所 長 渡辺 昇
感染性廃棄物取扱業者数
医療廃棄物研究会講演会で調査結果を発表
収運業者8,600社・処理業者270社
感染性廃棄物の取扱業者数については、10年ほど前に収運業者6,500社、処理業者330社という数字が発表されて以降、いろいろ取り沙汰されているが、その後、確たる数字は分からないまま推移してきた。
このたび、7月20日に開催された医療廃棄物研究会の第26回研究講演会で、表のような調査結果が発表され、収運業者については多少増えており、処理業者数については減少していることがわかった。
なお、処理施設の能力については、ほとんどが混焼方式を採用しているため、純粋に感染性廃棄物の処理能力とはいえないが、最近の動向である、零細業者の撤退と大企業の参入によって、処理能力は十分と推定される。
■ 収集・運搬業者について |
■ 中間処理について |
(社)日本医師会
医療安全マニュアルの作成を検討
医療廃棄物の適正処理も取り上げる
先ごろの医療法改正により、300床以下の中小病院および診療所に対し、具体的な感染防止対策が求められることになったため、(社)日本医師会では、医療機関の体制整備の参考になるよう「医療従事者のための医療安全マニュアル」を作成することにした。
なお、同マニュアルでは、医療廃棄物処理にも触れ、処理業者選択の際のチェック項目をはじめ、優良業者認定制度による選択や、ADPP参加業者の選択に言及するなど、具体的な内容になる予定である。
医療廃棄物勉強会の継続に思う
(社)東京産業廃棄物協会と東京医療廃棄物処理協同組合が共同で開催している「医療廃棄物勉強会」が、先月で21回目を数えた。今さらながら、関係者の1人として感慨深いものがある。医療廃棄物問題については、研究者が少ないため講師として講演していただける方も当然限られているわけで、特に医療廃棄物処理の分野になるとほとんどいない現状では、立ち上げ当初から、どうすればよいか常に頭から離れなかったものである。
幸い、古くからこの問題に取り組んでいた方々の協力を得て、まがりなりにも「カリキュラム」が出来上がり、講師としても参加していただいたおかげで、2年以上続けることができ、頭が下がる思いである。医療廃棄物そのものの定義に始まり、区分・保管・収集・運搬・処理・処分に至るまで、一応の目安はあるとはいえあいまいさは拭い去れず、現場での試行錯誤は依然として続いている中での勉強会開催は、これでよかったのかとの当初からの不安が、事あるごとに頭をもたげ、勉強会の難しさを痛感しているところである。
とはいえ、教育・研修は物事の基本であることに変わりはない。勉強会開催の原点に立って、今後も続けていくしかないと決意を新たにしているところである。
医療廃棄物研究所の夏期休暇は
8月13日(月)より17日(金)までと致します。